藤庭園緑化マガジン

健康で丈夫な木に育てるために。肥料・施肥のポイント

2022/03/16 up!

肥料・施肥

「お礼肥」(おれいごえ)という言葉があります。
“果実の収穫や花を楽しませてくれたことに対するお礼の意味を込めて肥料を与える”という意味と伝わります。
古くから言われ続けているこの言葉に植物を慈しむ先人たちの思いが込められた温かい響きを感じます。

植物に肥料を与えることを「施肥(せひ)」と言います。
健康で丈夫な木に育ってもらい、たくさんの花を咲かせてもらうために、
植物の状態や種類に合わせて適切に施肥することが大切です。

■施肥のポイント

植物を植えた後の1年間は施肥する必要はありません。
植えた直後の植物は根が切れていて細い根が少ないため施肥するとかえって根が傷んでしまいます。
まずは水やりを大切にしましょう。
しっかりと水やりをすると少しずつ養分を吸い上げ、根を張り、力強く育っていきます。
そして2年目の12月から3月にかけて施肥をスタートさせます。
施肥は1年間に3回は必要です。施肥のタイミングによって様々な呼び方がされています。

「元肥」
草花や庭木を植える前に与える肥料です。一般的に屋外の庭では三要素のバランスのとれた有機質肥料ベースの配合肥料を施します。

「追肥」
元肥だけでは不足する肥料分を生長に合わせて施す肥料です。速効性の液体肥料と、緩効性の固形肥料を併用すると効果的です。

「寒肥(かんぴ・かんごえ)」
春の芽出しや、その後1年間の成長と花付きを手助けします。土の中の微生物が活性化するために、堆肥や油カス、骨粉、鶏糞などの有機肥料を使いましょう。

「芽出し肥」
新芽が生える2月下旬〜3月に、樹木や多年草、球根などに与える肥料のことです。速効性のある化成肥料が向いています。

「お礼肥」
花や実を付ける樹木には、開花後や果樹の収穫後に液肥などの即効性肥料を与えます。

☆職人の目線☆【施肥は穴掘りが大切!】

樹木は根の末端部分から肥料の養分を多く吸うため、
根を張る大きな樹木などは深い場所に与えないと効くまでに時間がかかるうえその効き目も少なくなります。
樹木の大きさにもよりますが、深さ15cm程度までは土を掘り施肥を行いましょう。
いずれにしても、肥料の効果が表れるまでには一定程度時間がかかるため、
芽吹きや開花などの時期に適した施肥を行うことが大切です。

■肥料の種類

植物にとってチッ素、リン酸、カリウムは大切な栄養素で「肥料の三大要素」と呼ばれます。
三大要素のどれかが欠乏しても生育が悪くなります。

<三大要素の効果>

チッ素(N) 葉肥と呼ばれ、葉や茎などの生育を促進します。
リン酸(P) 実肥と呼ばれ、花や実の生長を助けます。
カリウム(K) 根肥と呼ばれ、丈夫な根や茎葉をつくります。

三大要素に次いで重要なカルシウムは病害虫に対する抵抗力をつけ、
根の生育を助けたり、土壌の酸度を調整する働きがあります。
またマグネシウムは葉が黄色くなるのを防ぎます。
その他、鉄やホウ酸、マンガン、モリブデン、亜鉛、銅、塩素の7つの養分も
微量ずつ補給すると効果的です。

有機質肥料と無機質(化学)肥料

肥料には多種多様な種類があります。大きくは有機質肥料と無機質(化学)肥料に分かれます。
・有機質肥料
有機質肥料は長く持続する遅効性の肥料です。
動植物性由来の骨粉、牛ふん、鶏ふん、油かす、草木灰などを原料としています。
土に含まれる微生物によって分解され、窒素、リン、カリウムに変わって根から吸収されます。

無機質肥料
無機質(化学)肥料は早く効く肥料です。
リン鉱石やカリ鉱石といった鉱物を分解して作られており、
チッソ、リンサン、カリウムのほか幅広い栄養素が含まれていまます。
汚れにくく、臭いも少ないという特徴があります。また成分、効き方、形状などによって分類できます。

<成分別の分類>

「単肥」
チッ素、リン酸、カリの三要素のうち1つの成分しか入っていない肥料です。
複合肥料の原料として使ったり、特定の成分を補強するときに使用します。

「複合肥料」
チッ素、リン酸、カリの三要素のうち2つ以上の成分を含む肥料です。

「化成肥料」
数種類の肥料に化学的な工程を加えて製造された肥料です。
固体・粒状・粉、液体などさまざまな形態があり、効果のある期間を調整できます。

「被覆複合肥料」
化成肥料の表面を樹脂やワックス・紙などでコーティングして成分が一気に溶け出さないようにした肥料です。

「配合肥料」
数種類の肥料を化学的な工程を加えず混ぜ合わせた肥料です。

<効き方別の分類>

「速効性肥料」
無機質肥料の単肥の他、液体・粉状・粒状の化成肥料などがあります。
肥料を与えると効果がすぐに現れますが長続きしません。主に追肥やお礼肥として使用します。

「緩効性肥料」
肥料を与えるとすぐに効きはじめ、徐々に溶け出して長く効果が持続します。
粒状の被覆複合肥料やスティック状タイプのものなどがあり元肥や追肥のいずれにも使用できます。

「遅効性肥料」
土中の微生物や水分などによって分解されて徐々に効いていきます。
有機質肥料や配合肥料があてはまります。

<形状別の分類>

「固型肥料」
土の上に置く錠剤や、土に混ぜたり、ばらまいて使う肥料です。
一般的に緩効性は無機質肥料が原料で、遅効性は有機質肥料です。

「液体肥料」
主に化成肥料を液体にした製品です。
水で薄めて使う原液タイプやストレートタイプのものがあります。
速効性なので、主に追肥として鉢植えなどで使います。

 

■施肥の方法

「輪状施肥」
最も使われている方法です。
樹冠(枝や葉が伸びた先、花が咲いている位置から土に下したポイントで樹を囲む)の周りに沿って溝を掘り肥料を埋め戻します。
一本立ちの中高木は幹の直径の3~5倍離れたところに深さ15cm・直径10cm程度の輪状の穴を掘り、油かすや鶏糞など遅効性肥料を埋め戻します。
低木は木の根元に穴を掘り、同じく遅効性肥料を入れて埋め戻します。

「放射状施肥」
幹を中心に放射状に溝を掘って施肥します。

「壺状施肥」
樹冠に沿って、穴をところどころにあけ肥料を流す方法です。

「ばら撒き施肥」
樹冠は周りに沿って肥料をばら撒きます。

 

☆職人の目線☆【「輪状施肥」にこだわるな】

根の先の周辺が最も肥料の養分を吸うため、その場所に的確に与えれば効果が高くなります。
そのため「輪状施肥」が一般的と言われますが、
枝葉が伸びやすく剪定を重ねた樹の場合、樹冠そのものが正確ではありません。
少し離れた場所まで穴を掘り、施肥を行う方が、効果が高まることがあります

 

土の中に打ち込むだけで施肥が可能な有機肥料

樹木に必要な栄養がバランスよく配合されていて、土の中に打ち込む事によって栄養分が溶け出します。

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